アンティークとヴィンテージの違いをシンプル簡単に覚えておく

アンティークとヴィンテージの定義

見た目が古くて華麗なイメージの品がアンティーク、と長いあいだ思い込んでいました。間違いだと知ったのはわりあい最近のことです。

アンティークの定義はいろいろありますが「製造されてから100年を経た美術品・手工芸品・工芸品」と、まずは覚えました。1930年代にアメリカの関税に関する法律で制定されています。シンプルで覚えやすい。

ちなみに同じ法律で、ヴィンテージとは「製造されてから30年から99年経過している」ことが示されているようです。ヴィンテージの定義もさまざまですが、アンティークとの明確な区別として使えます。

アンティークは日本語にすると「骨董品」が一般的ですが、骨董品というと鎧、刀、掛け軸といった日本独特の貴重な美術品、工芸品を想像してしまうので、同じものと考えにくいかもしれません。アンティークをあえて日本語でいえば「西洋骨董品」でしょうか。自分で理解するため勝手にイメージ分類しています。

ところで、ヴィンテージ雑貨をあつかうお店をやってみたいと思うほど、なぜアンティークやビンテージに惹かれるのでしょうか。

アンティークに惹かれたきっかけはレース

アンティークレースの美しさには感動します。昔々、どこかのだれかが白く細い糸を巧みにあやつり、手技や機械でつくりあげた光を通す薄い布。

花鳥風月、幾何学模様、水玉模様などレースの模様は無限にあります。いつも欲しいと考えているのは、細い枝がつるのように全体にいきわたり隙間に小さな葉や花が静かに散っているような、繊細な模様のレース布です。

数年前、リビングルームの西向き窓からの陽射しが強すぎるので、好みの模様のレース布をつろうと探したのですが、なかなか見つかりません。このごろのレースカーテンは無地、大柄、幾何学模様がほとんどで、素材は化学繊維の味けないものばかりでがっかりします。

何日かかけてインターネットの世界をさまよった末に、樹と実と鳥をあしらったレースを見つけました。フランスでカーテンとして使われていた、アンティークレースのはぎれです。

届いてきた少し埃の匂いがするレース布を手にとってみると、小さい破れがいくつか。想像していたよりひとつひとつの模様が大きく、繊細というにはほど遠いデザインです。

100年以上前にフランスでレースカーテンとして使われていたらしく、模様が大柄なのは日本にはないような大きな窓にかけられていたからだろう、と想像しました。

静かにあつかわないと破れそうなのでそっと手で洗い、乾いてから破れをつくろい、窓にかけてみました。小さい窓ですが不思議にしっくりなじんでいました。

入ってくる夕方の陽を見ていたら、100年前のフランスの館で誰かが窓に近づき、鳥や樹木模様のレースを透かして外をのぞいている様子が心にぼんやりと浮かんできました。

こんなふうに、時代を超えてきたものは日常のなかで一瞬の夢を見せてくれます。古くて壊れそうだけれど、手にとることができるまぎれもないその感触が、自分のなかの感傷や記憶を呼びさましてくれるのでしょうか。

その一瞬の感覚をきわだたせる何かが、アンティークやヴィンテージにやどっている気がします。その不思議な力こそが古いものに惹かれる理由かもしれません。

ヴィンテージの語源

「このティーセットは50年前のヴィンテージです」と言うのは、作られた年代を定義しながら言っているとしたら、間違いではありません。

けれどヴィンテージという言葉の語源から考えた場合は、少し違ってきます。

ヴィンテージ(vintage)とはもともと、フランス語のヴァンダンジュ(vendange)からきていて、ワインを作るために葡萄を収穫して醸造して瓶に詰めるまでの工程のことをいうそうです。

ヴィンテージワインという言葉は、かなり以前から広まっていたような気がします。葡萄がよくできた、当たり年のワインのことです。よくできた葡萄からつくられるワインは美酒となり、年を経ると希少価値がでますから、高級ワインをヴィンテージワインというのも納得できます。

そこからきているのでしょう。年を重ねて磨きがかかり希少価値のあるもの、なかでも車、時計、カメラ、オーディオなどメカニックな名品をヴィンテージと呼ぶようになりました。加えて楽器や衣料品も、年を経ていてすぐれたものはヴィンテージといいます。

バイオリンではストラディバリウス、ジーンズならリーバイス501が有名どころでしょうか。

年代を定義して使うか、語源から派生した意味で使うかで、ヴィンテージという言葉のもつおもむきが少し変わることがわかりました。

そんなことには関係なく、はやり言葉としていつでもどこでも使ってしまえばいいのでしょうが、言葉にTPOを採用して使うことは、けっこう大事なことではないかしら、と今日のところは考えています。

というわけで、ヴィンテージ雑貨をあつかうのにヴィンテージの語源を知らないとちょっと恥ずかしいかもしれないので、ウィキペディアや買い取り店さんのサイトで調べてみました。

古い雑貨やものをあつかいだすと、いろいろ覚えることがたくさんあり、がぜん調べたり勉強をしないといけない気になってきました。

年代定義からするとヴィンテージになっている頭脳なので、これはかなり大変なことです。雑記を覚え書き帳にして書きながら勉強していきます。

雑貨店への道は遠い。

✳︎個人の感想と体験をもとにした雑記です